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この想い、あなたに届くまで~遊廓(くるわ)の恋~
第11章 第四話【恋月夜】 其の壱
お逸は訳が判らぬまま、一人、部屋に残された。一体、これから何が起ころうとしているのか。お逸がいかにそういったことに疎いとはいえ、この事態が自分にとってけして望ましいものではないことくらいは判る。女郎のなりをさせられ、かつて松風花魁が使っていた部屋を与えられた―、そのことから浮かび上がってくるのは、お逸はこの花乃屋で娼妓として客を取らされようとしているのではないか、という疑念だった。