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この想い、あなたに届くまで~遊廓(くるわ)の恋~
第12章 第四話【恋月夜】 其の弐
 お逸は身をよじった。
「降ろして、もう部屋に戻らなきゃ」
「送っていくよ。こんな身体じゃ、歩くのも大変だろう」
 お逸がピクリと身を震わせた。
 それを、真吉が言うのか。他の男に犯され、嬲り尽くされた身体を大変だろうと、痛むだろうと―。真吉にしてみれば、お逸を心から気遣っただけのことであったが、お逸が惚れた男の口から出たその何げないひと言は、たまらない羞恥を呼び起こすものだった。
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