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この想い、あなたに届くまで~遊廓(くるわ)の恋~
第13章 第四話【恋月夜】 其の参
部屋の中には、何かは判らぬが、怪しげな香のかおりが充満している。それは清五郎が持参してきたもので、おしがに命じて焚かせたものだ。更に、清五郎は懐から小さな紙包みを取り出し開くと、用意されていた銚子にさっと注ぎ入れた。その包みはちょっと見には薬包のように見え、中身もさらさらとした白い粉薬のようであった。
娼妓の部屋には大抵、客のために酒肴の支度が整えてある。清五郎はお逸に盃を持たせると、その粉薬を入れた酒を並々と注いだ。
娼妓の部屋には大抵、客のために酒肴の支度が整えてある。清五郎はお逸に盃を持たせると、その粉薬を入れた酒を並々と注いだ。