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この想い、あなたに届くまで~遊廓(くるわ)の恋~
第13章 第四話【恋月夜】 其の参
媚薬を使ってまで、自分の身体を欲しいままにしようとする男が何故、そのような哀しげな声を出すのか。
お逸の中に一瞬、疑問がよぎる。
恐らく、清五郎は清五郎なりにお逸を愛している―仮に、それを愛と呼べるとすればの話だが―のかもしれないけれど、お逸には到底、こんな愛され方も、愛し方も理解はできない。人を愛せば、誰でももっと優しくなれるものではないか。愛することは束縛することでもなく、ましてや欲望の赴くままに相手を嬲ることでもないはずだ。
お逸の中に一瞬、疑問がよぎる。
恐らく、清五郎は清五郎なりにお逸を愛している―仮に、それを愛と呼べるとすればの話だが―のかもしれないけれど、お逸には到底、こんな愛され方も、愛し方も理解はできない。人を愛せば、誰でももっと優しくなれるものではないか。愛することは束縛することでもなく、ましてや欲望の赴くままに相手を嬲ることでもないはずだ。