この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
この想い、あなたに届くまで~遊廓(くるわ)の恋~
第13章 第四話【恋月夜】 其の参
甚佐の部屋を出て、お逸は力ない脚取りで階段を上がった。真吉にここで別れを告げたのは、まだほんの昨日のことなのに、あれから随分と長い年月が経ったような気がするのは何故だろう。
二階の部屋に帰ると、清五郎から届けられたという品々が整然と飾られていた。まずは絹で仕立てた五つ重ねの夜具、桐箪笥ふた棹、大きな鏡台、三面鏡、眼にもあやな西陣帯、きらびやかな打掛が二枚。いずれもが贅を凝らした逸品ばかりであった。
二階の部屋に帰ると、清五郎から届けられたという品々が整然と飾られていた。まずは絹で仕立てた五つ重ねの夜具、桐箪笥ふた棹、大きな鏡台、三面鏡、眼にもあやな西陣帯、きらびやかな打掛が二枚。いずれもが贅を凝らした逸品ばかりであった。