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この想い、あなたに届くまで~遊廓(くるわ)の恋~
第13章 第四話【恋月夜】 其の参
清かな光が川の面を銀色に染める。
川の流れる音、時折聞こえる水しぶき、そして、絶えず聞こえる櫓の音。それら以外、音のない静寂が二人の乗る舟をすっぽりと呑み込んでいる。
真吉がやや面映ゆそうに言った。
「まだちゃんと言ってなかったから、今、この場ではっきり言う。お逸、俺はお前が好きだ。俺の女房になてくれねえか」
―待ちに待った言葉だった。一体、どれだけこの言葉を耳にする日を夢見たことだろう。