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夢で逢えたなら~後宮秘談【怨のものがたり~朝鮮王朝後宮譚改題
第2章 揺れる、心

たとえ、いかほど輝かしい宝玉を身に飾り、美しい衣裳を纏おうとも、沈貴人のように心の醜い女(ひと)が本当に美しいといえるのだろうか。賤しい身分に生まれたら、どのように気高い魂や志を持っていても、科挙の受験資格さえない。科挙は官吏になるための登竜門だが、受験できるのは一定の身分以上の者に限られている。
裏腹に両班として生まれても、親の財産で放蕩の限りを尽くし、ろくに学問しない者もいる。そんな何の志もない若者でも、親の位階が高ければ、ただそれだけで科挙を受け将来は高官になるのだ。むろん、受験は形式だけで、初めから合格は決まっている。ろくに勉強しない者に難関中の難関といわれる科挙に合格できるだけの能力があるはずがない。
裏腹に両班として生まれても、親の財産で放蕩の限りを尽くし、ろくに学問しない者もいる。そんな何の志もない若者でも、親の位階が高ければ、ただそれだけで科挙を受け将来は高官になるのだ。むろん、受験は形式だけで、初めから合格は決まっている。ろくに勉強しない者に難関中の難関といわれる科挙に合格できるだけの能力があるはずがない。

