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第5章 妖婦

あなたの場合、計算からいけば、もう五ヵ月にはなっているはずよ。このお腹の大きさからしても、赤ちゃんがかなり大きく育ってることが判るし、間違いはないでしょうね」
　昌淑には数歳年上の姉がいて、その姉には商家に嫁いで二人の子に恵まれている。今の百花の症状は間違いなく、姉が悪阻のときと同じものだと昌淑は言い切った。
「止めて、昌淑。そんな話、聞きたくない」
　百花は昌淑からチョゴリを奪い取るように手にし、元どおりに羽織った。自棄のように小卓の上の薬湯を掴み呑もうとするのに、〝呑んじゃ駄目〟と昌淑が傍から湯呑みを叩き落とした。