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第5章 妖婦

　もちろん、それはこの物語よりも更に後の王宮であの話だ。それについては、また、別の語り手が語ることもあるだろう。私は私の知る限りのことをここに書き残し、後の御世のことは、後世の人に任せるとしよう。
　それはさておき、百花が予期せぬ妊娠という苛酷な事実を受け止めることができたのも、この得難い友がいたからだ。
　仁香王后と温尚宮の主従関係はこれ以後もずっと続いてゆくことになる。しかし、百花はこの時、自分を見舞う激動の運命など予想もせず、ひたすら王女の誕生を天に願うばかりであった。