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夢で逢えたなら~後宮秘談【怨のものがたり~朝鮮王朝後宮譚改題
第2章 揺れる、心
正直、告白された時、嫉妬心を感じなかったといえば、嘘になる。従妹も美しいが、それは喩えるなら野辺にひそやかに咲く秋桜(コスモス)のようであり、派手やかな美しさという点でいえば、間違いなく我が身の方が勝っているという自信はあった。
しかし、人の心を見抜くことのできる彼女には判る。国王(チユサン)殿下(チヨナー)は、自分のような勝ち気な女性は好みではない。多分、どちらかといえば、控えめな質の方を好む。ならば、勝負は悔しいけれど、初めから従妹の方に利があるはずだ。ましてや、従妹の控えめさは沈貴人のように作り込んだ、わざとらしいものではない。
しかし、人の心を見抜くことのできる彼女には判る。国王(チユサン)殿下(チヨナー)は、自分のような勝ち気な女性は好みではない。多分、どちらかといえば、控えめな質の方を好む。ならば、勝負は悔しいけれど、初めから従妹の方に利があるはずだ。ましてや、従妹の控えめさは沈貴人のように作り込んだ、わざとらしいものではない。