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ダブル不倫 〜騙し、騙され
第9章 エピローグ
 優子は畠山の部屋のリビングルームにいた。まだ、開封していない段ボール箱がところどころに置いてある。

 優子は畠山の切れた唇の端や背中の手当てをしていた。
 
「……ごめんなさい。私のせいで……」
 
「いやあ、カッコ悪いところ見せちゃった」
 
 畠山の手が自分の後ろ頭を掻いた。
 
 優子は顔を左右に振った。
 
「ううん、晶くん、カッコよかった。私、キュンとしちゃった……」
 
 声がかすれた。涙で畠山が見えなくなった。
 
 畠山の胸に吸い込まれた。筋肉質の腕が強く抱きしめる。
 
「…………晶くん…………、私、ちょっと泣いていい……?」
 
「僕の胸でよかったら……」
 
 優子は畠山の胸で、小さな子どものように声を出して泣いた。

 畠山は何も言わず、優子の髪を撫で続けた。

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