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溺れるくらいに愛して
第1章 溺れるくらいに愛して
「んんっ。もっと! もっとぉ……」
「みーこは相変わらずエロいなあ」
男はニヤついて笑う。垂れ下がるお腹はだらしなくて、いかにもオタクファッションで努力もしないで風俗に通う。常にどう見られるか? を意識するあたしには考えられない。美しさこそ正義。美しさこそ至高。このお店で最上級の金額がつけられる女。それがあたし水原美子(ミズハラ ミコ)。みーこ。
芸術の為なら脱ぐことも肌を重ねることも厭わない。それがあたし。だからこそ、あたしは恋人を作らない。それがあたしなりの真摯な答え。この時までは、そう思っていた。