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ペリドット
第2章 ふたりの少女。
『第1話:私とまた逢ってくれますか?』
08/11 -Tue-
夜中に一度目が覚めた。僕はシズカを抱き締めていた。
腕の中で彼女は少女の様に穏やかな顔で眠っている。それから、直ぐにまた深い眠りに僕は落ちる。
もしかしたら、これは夢だったのかもしれない。
しかし、寝惚けながらも彼女の温もりはしっかりと感じる事が出来ていた。
そして、朝。
僕はいつものケイタイアラームで目を覚ました。隣りにシズカの姿は無く、僕はベッドの上に独りだった。
時刻は六時半だ。
もうそろそろ会社に行く準備をしなければならない。
明日から短い休暇になるが、大体休暇前日には面倒な事件が幾つか発生するので、気分的には最悪な朝だ。
しかも、音から察するに台風は正に今関東に直撃している真っ最中なのだろう。
外を見る必要も、ニュースを観るまでも無い。
大きく深くため息を吐いた。
気怠さが抜けず、呆然とベッドで佇んでいると、ケイタイが鳴り始めた。
会社の上司の名前が表示されている。
「――はい、橘です。おはようございます。はい、あぁ電車が動かない……なるほど、じゃぁ今日は午後から出勤で……はい、じゃぁ様子を見つつ……解りました。では、失礼します」
今の僕に取っては最高の知らせだった。
不謹慎だが、こう言う台風なら週一くらいで来てくれよと思える。
ケイタイをベッドに投げ捨て、ごろりと仰向けに寝転んだ。
見上げた先には見慣れた天井がある。
その視界の中にすーっとシズカはフレームインして来た。
未だに素っ裸の僕に対して、彼女はさも常識人であるかの様に裾の長い緑色のワンピースを身に纏っている。
08/11 -Tue-
夜中に一度目が覚めた。僕はシズカを抱き締めていた。
腕の中で彼女は少女の様に穏やかな顔で眠っている。それから、直ぐにまた深い眠りに僕は落ちる。
もしかしたら、これは夢だったのかもしれない。
しかし、寝惚けながらも彼女の温もりはしっかりと感じる事が出来ていた。
そして、朝。
僕はいつものケイタイアラームで目を覚ました。隣りにシズカの姿は無く、僕はベッドの上に独りだった。
時刻は六時半だ。
もうそろそろ会社に行く準備をしなければならない。
明日から短い休暇になるが、大体休暇前日には面倒な事件が幾つか発生するので、気分的には最悪な朝だ。
しかも、音から察するに台風は正に今関東に直撃している真っ最中なのだろう。
外を見る必要も、ニュースを観るまでも無い。
大きく深くため息を吐いた。
気怠さが抜けず、呆然とベッドで佇んでいると、ケイタイが鳴り始めた。
会社の上司の名前が表示されている。
「――はい、橘です。おはようございます。はい、あぁ電車が動かない……なるほど、じゃぁ今日は午後から出勤で……はい、じゃぁ様子を見つつ……解りました。では、失礼します」
今の僕に取っては最高の知らせだった。
不謹慎だが、こう言う台風なら週一くらいで来てくれよと思える。
ケイタイをベッドに投げ捨て、ごろりと仰向けに寝転んだ。
見上げた先には見慣れた天井がある。
その視界の中にすーっとシズカはフレームインして来た。
未だに素っ裸の僕に対して、彼女はさも常識人であるかの様に裾の長い緑色のワンピースを身に纏っている。