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第1章 黒煙のレクイエム

「あなた!!」
「なんだよぉ…」
「あなた!!御桜里の就職問題はどうにかなるから後回しにして、こうすけの問題を先に解決しないと手遅れになるのよ!!」
「分かっているよぉ…」
「分かっているのだったら、そんな泣きそうな声で言わないでよ!!」
「分かっているよぉ…真剣に考えているよぉ…だけどこうすけは御桜里と違ってものすごくむずかしいのだよぉ…高卒の資格がない、仕事に必要な資格がない状態で受け入れ可能な事業所があるかどうか…」
「あなたがそんな泣きそうな声で言うからこうすけが就職できないのよ!!分かっているのかしら!!｣
「お前こそなんや!!」
「あなた!!」

母親は、ものすごく怒った声で父親に不満をぶつけていたので、話し合いができなくなった。

その上、母親はこずえに対して『涼介が正社員になれないことと御桜里が就職できなかったことに加えて、はるひこが凶暴な言葉を言うようになった原因を作っておいて、よくもヘーゼンとしていられるわねいるわね!!』と凄んだ。

義母に凄まれたこずえは、ひどく傷ついた。