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わたしは桜になりたい
第1章 わたしは桜になりたい
「本性がこんなでも嫌われないのは、誰も興味なんて持たないからだ」
「何を言おうと興味ない
何を思っていようと興味ない
どこを見て何に泣いているのかなんて
…誰も知ろうとしねぇんだ」
「お前はそんな俺たちを、本気でズルいなんて思うのかよ」
「羨ましいと思うのかよ」
グチグチ ネチネチ……
うるさい声
羨ましいよ
羨ましいに決まってるよ
黙っているだけで受け入れられる貴方が、羨ましいに決まってるじゃない
わたしはたくさん嘘をつく
愛してほしくて嘘をつく
嫌われたくないからって嘘ばかり
そして誰かを傷付ける
誰かを騙す
自分を騙す
騙された自分に……また嘘をつく