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大魔王の子を孕みます
第9章 闇夜
「流石、シロ様です…。あの大魔王様に女王様宣言までもをさせてしまうお方の言葉は違います。」
ミルはキャッキャッとはしゃいで森での事を言うが俺には照れ臭いだけの話にしかならない。
「だからさ、俺が居なくなった後は…。」
「シロ様?何処かにお出掛けするおつもりですか?いけませんよ。今は闇夜ですからシロ様を絶対にお屋敷から出してはいけないとライズ様からはキツく言い付かっております。」
「いや、だから…。」
「本当にライズ様に大切にされてるシロ様が羨ましいです。この闇夜が終わったらシロ様の為に必ず帰ると何度もライズ様が仰ってました。ミルもあの方から、そんな事を言われたいです。」
「うん、だからね…。」
「あわよくば、ミルも闇夜の間はメフィスト様のお傍で暴走するメフィスト様に…。いやん♡」
「へ?」
「やだぁ…、シロ様、ミルの気持ちは絶対に内緒ですよ。」
「メフィスト?」
「はい、ミルが好きなのはメフィスト様です…。亜人の森で傷だらけになったミルにあんな事をしたメフィスト様にミルはもうメロメロなのですぅ。」
エロジジイ…。
俺の可愛いミルに何をしたっ!?
完全に妹を守ろうとする姉の気持ちになる俺はメフィストが闇夜の後で帰って来たら殴ってやりたいと思う。
「ミル…、メフィストは諦めなさい。」
「ガーンッ!」
こんな感じでミルと時間を潰すしかない。
寝る前には空を見上げて月を睨む。
全然、欠ける気配を見せない月に苛立ちが募る。
闇夜はいつ終わるんだよ。
落ち着かない毎日にため息ばかり吐く羽目になる。
何日かすると森から怪しい獣の遠吠えがしたり、裏庭でガラスが割れるような音が響いたり、闇夜の影響で魔族が暴走してるのだと実感が湧いて来る。