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最後のキス~琉球の海を渡る風~
第3章 The wind of Ryukyu~琉球の風~
「怖いんだ。光もない闇ばかりの世界で、たった一人、もう二度とそなたにも逢えない。そんな日が来るのかと思うと、怖くて堪らない。私は今にも消えそうな蝋燭を身体の内に抱いて、細々と神に許された残り少ない日々を紡いでいっているんだよ、真戸那。こんな臆病な男、たとえ王だといえども、そなたに嫌われて当然だ。だが、その方がかえって良いのかもしれない。私を嫌いになれば、私がいなくなった後でも、そなたが哀しまなくても済む」