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最後のキス~琉球の海を渡る風~ 
第4章 Forever~永遠~
「何かお召し上がりになりたいものは、ございますか?」
 耳許で問えば、王は小さな声で〝氷菓子〟とお応えになる。
 藍那はすぐに氷菓子を用意させた。細かく砕いた氷を琉球ガラスの見た目も涼やかな器に盛り、南国の恵みの果汁をたっぷりとかけたものだ。以前からの王の好物である。
 銀の匙でひと口ずつ、横たわった王の口許に運びながら、藍那は不覚にも涙が出てくるのを止められない。
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