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最後のキス~琉球の海を渡る風~
第2章 Fall in love~恋に落ちて~
「あの―、ここは何時代ですか? っていうか、まさかタイムスリップなんてあるわけないし、ここは何かの時代劇ドラマのロケ現場とか?」
と、若い男が低い笑い声を立てた。
「相も変わらず、そなたは面白きことを言って、私を愉しませてくれる。だが、今の戯れ言は私にもとんと理解できぬぞ」
そこで、藍那は愕然とした。改めて自分の身なりの異常さに気づいたのである。可愛らしいピンク地に極彩色の牡丹や鳳凰が大胆に描き出されている打ち掛けは確か紅型(びんがた)という沖縄に昔から伝わる伝統的な着物である。
と、若い男が低い笑い声を立てた。
「相も変わらず、そなたは面白きことを言って、私を愉しませてくれる。だが、今の戯れ言は私にもとんと理解できぬぞ」
そこで、藍那は愕然とした。改めて自分の身なりの異常さに気づいたのである。可愛らしいピンク地に極彩色の牡丹や鳳凰が大胆に描き出されている打ち掛けは確か紅型(びんがた)という沖縄に昔から伝わる伝統的な着物である。