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粗治療
第1章 きっかけ
目を覚ますといつもと変わらない
真っ白い天井が僕の目に映った

そのまま気怠い体を起こしてみようかと思ったが、
事故で痛めた肩が激しく疼く

っつ……

あぁなんでこんな目にあわないといけないんだろう…

手術は8時間にも及ぶ大掛かりなものだったらしい
生きているのが不思議なくらいだと医者は後に僕に言った

どうでもよかった
今の僕にはすべてがどうでも

自由に動けたことが今では嘘の様だ

がんじがらめに固定された右肩を眺めると
なぜか水滴の様なものが浮かび
そしてほほを冷たくつたっていった


コンコン

扉が開く音がして不意に甘い匂いがした

「失礼します」

そういえばもうあの人が来る時間だ
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