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瑠璃色
第7章 duplicate key
少しずつ、少しずつ…頬に当たる風の冷たさが和らい
できた。
3月、受験も終わり、塾内も落ち着いた空気が流れ始
めていた頃、私の横で、ニヤケた男が一人…
「あんたさー…いい加減、そのニヤケ面、どうにかし
てよ…」
「んっ?俺の事?!・・・まぁまぁまぁ・・・
俺も、もうすぐ実行なんだよ!お見合い相手が俺って
あいつだけ知らねーの・・・
あいつの母親は、サプライズだってすっげーノリノリ
でさ、楽しみで仕方ねーよ ハハハッ…」
「まさかの、ゴメンナサイ!…って、されなきゃいい
けどねー…」
「はぁ?・・・お前、性格悪っ!」
「はい、はいっ…クスクスッ…
直人さんも私も、応援してるから…で?いつ行くん
だっけ?」
「春休みに入ってすぐの土日で行ってくるよ。
あいつ、高校教師だから、平日はちょっとな・・・
って、それよりお前の方はどうなんだよ?」
「あーっ…まーっ…ぼちぼちね!」
「なんだよ、ぼちぼちって」
「ほら、ずっと忙しかったじゃん!
直人さん、杉本さんといつもバタバタやってたしさ。
だけど、顔が見れるだけ、いいのよ!顔さえ見れたら
調子がいいか、悪いか…それ位はわかるからさっ。
でも、もうそろそろゆっくり出来そうな感じだよ!
たぶん!?なんだけどね…だから、私は大丈夫よ!」
「そっか、ならよかった 笑」