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Gemini
第7章 痕跡
脈動するかのように全身に力が入っては抜けた。

ビュッと勢いよく私から何かが出たことも、朧気ながら覚えていた。濡れてしまったノアのズボンを見て、もしかしたらと思い出す程度だったけど。

「mon bébé 触って」
ルカの手に導かれたのは、硬くなった男の…。
「ひゃあっ」

スウェット越しとはいえ、そんなところを触らせるなんて。私は直ぐに手を引っ込めた。

「これがここを気持ちよくするんだよ」
ルカの指がさっきまで弄っていたところを撫でた。

「まずはこっちじゃない?」
ノアの指もヌルヌルしたままのそこを撫でた。

ふたりの指がそっと触れただけなのに、私の上半身はビクッと震えてしまう。


「痛いのはかわいそうだろ?」
「なんだよ、今まで散々…」
ノアはそう言いかけて、私の方を見た。

「痛いのは嫌だろ?mon bébé」

(痛いのはイヤ…)
まだまともに働いていない頭は、ルカのその言葉だけを受け取って首を横に振った。

「ほら、な?」
「カナデがいいなら、それで」

そこでふたりが何を話していたのか、何が決定されたのか、私には分からなかった。


「カナデがそばにいてくれるなら、もう代わりなんて要らないよ。」
ルカは私が制服を着た後も、ノアの前で私の肩を抱いては何度もキスをしてきた。ノアはノアで、腰に手を回して太ももを撫でていた。

ルカとのキスで濡れた唇のまま、振り返ってノアとキスをするのにも、抵抗がなくなってきていた。美しい顔を至近距離で交互に見ることにも、前ほどは緊張せずにいられるようになった。



右手に残る生々しいルカの感触は、家に帰ってからも忘れられなかった。

(あんなに硬いなんて…)
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