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アンケートから生まれた Love story
第3章 問答無用で引き受けろ
厳しい言葉を使った蓮さんだけど
穏やかな表情は変えずに、ソファから身を乗り出した。
「単に数や量だけの話をしているんじゃない。
言っただろ、お前は次期エースだ。
他の誰かでは、今のスピードとスキルでこなすことは不可能だと思ってる」
「……そんなことは…」
「ある。瀬名がお前を欲しがってるんだ。
役職付いてる彼らも馬鹿じゃない、ちゃんと分かってるよ」
「……っ」
……ぐっと胸の奥に投げ込まれて、思わず視線を逸らした。
だから、言えなかったんだ。
会社を辞めると決めていたのは最近ではない。
忙しさを理由にして、先送りにしてきたこともあるけど
この人の期待に応えることができない……そんな情けない姿を見せたくなかった。
「タカ」
優しく呼ばれて、ゆっくり顔を上げると
「これから暫くは、内勤もしくは国内の主要顧客のみ。
上には俺から話を付けておく」
「……!」
「よっぽどのトラブルが無い限りは、飛ぶな」
キッパリと言った蓮さんが、真っ直ぐ俺を見た。
「全部は無理だけど、少し周りに中継ぎしていいよ。
先に根回ししておくし、みんな理解する」
「……」
「今は強制的に進む段階じゃない。
迷ってるって聞いて、今のお前の目を見て、そう判断した。
相談の答えは以上だ」