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MOTHER(マザー)
第1章 MOTHER(マザー)
ところ変わって、直也の家にて…

家の居間に菜水としえ夫婦の3人がいて、話し合いをしている。

菜水は、しえ夫婦に一磨が死亡した時に出た保険金を全額出せと要求した。

しえ夫婦は『一磨が死亡した時の保険金は全額寄付した。』と言うて、菜水にあきらめるようにと言うた。

「お願いだから、分かってよぅ…一磨が残した保険金は全額市役所に寄付したのよ…だからうちにはないのよ…」
「こらえてくれぇ…この通りだ…」

菜水は、どぎつい目つきでしえ夫婦をにらみつけながら言うた。

「それでアタシが納得すると思っていたら大きな間違いよ…ふざけんなよバカ!!」

(バーン!!)

菜水は、平手打ちでテーブルを叩いたあと20秒間しえ夫婦をにらみつけた。

菜水は、より激しいうらみを込めてしえ夫婦に言うた。

「あんたらのせいよ…あんたらのせいでアタシの身体がグチョグチョに傷ついたのよ…一円も払えないと言うのであれば実力行使に出るわよ…覚悟しておきなさい…」

菜水に凄まれたしえ夫婦は、ひどくおびえている。

その頃であった。

孝二は玄関の前に座って、周りの様子を見渡している。
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