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愛妻ネトラレ 久美子
第3章 輪姦!?慰安旅行
『いや~!本当にありがとう!あの時は助かったよ!』
取締役員から、大口取引先との接待の件で、お礼を言われる久美子。
『…もう、あんな事ほんとにしませんからね!』
破格の報酬の為とは言え、パイパンにまでして女体盛りを披露した久美子に、接待という言葉は半ばトラウマになっていた。

『いやいや、あれで社長からは、いたく気にいってもらえてねぇ~。しばらくの間は安泰だよ。契約不足で困ることはない!』
『そりゃ、良ござんした』口には出さずに、久美子は心の中で毒づく。

会社が安泰だろうと、パート時給が上がる訳じゃなし、工場が稼働しなければ時間数を削られるのは、真っ先にパートの久美子達だ。

『それでね、感謝を込めて慰安旅行を催そうという案があがってるんだが』と取締役。
『慰安旅行?だいぶ先の時期の話じゃないですか』興味なさげに久美子は適当に相槌をうつ。
『いやいや、来月の連休だよ。特別慰安旅行さ。我が社の大事な大口契約成功の立役者の為にね!大奮発さ』
『へ~、そりゃ豪勢ですね…』相変わらず興味無さげな、当の立役者、久美子。
『旅行かぁ…。家を空けたら、帰ってきたあとの掃除や片付けが、大変だなぁ…』旅行から帰ってきたあとの家事の心配が第一に頭に浮かんでしまうのが、悲しい主婦のさがであった。

『乾杯~!』
もう今日何度めかもわからない乾杯を交わし、グイッと缶ビールを流しこむ久美子。
場所は、熱海の某老舗旅館。
オフシーズンとはいえ、ほぼ貸し切りに近い状態なのはご時世か。
慰安旅行だと聞いていたので、マイクロバスででも行くのかと思いきや、8人乗りのワゴンで目的地まで。
メンバーも、取締役、工場長、チーフ、あと顔を知っているだけの社員と、経理課の社員。
久美子を入れて6人の超少人数であった。

『たったこれだけの人数で慰安旅行?』久美子の頭に疑問が浮かんだが、『まあ、元々予算が組まれていた旅行じゃないからね。それに今回の大口契約成功のお礼だから、関係者だけなのさ』と取締役に説明され、『まぁ、そんなものか』と、あまり気にもとめない久美子。

行きの車の中で真っ昼間から缶ビールを飲んでいると、不思議と楽しい気分になってくる。
熱海の老舗旅館についた頃には、運転役だった工場長以外はすっかりほろ酔いの、酔っ払い旅行客ができあがっていた。
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