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瀬音とボクとよしみくん
第15章 おわり


校舎の屋上の片隅からだと、ちょうどプールサイドが見える。


そして、そこには、瀬音くんがいる。


瀬音くんは水着一枚。


ちょっと前には、その体に、触れることができたのに。


今は、こんな遠くから、ただ眺める、いや、盗み見るだけ。


それなのに。
あぁ、そんな瀬音くんに、今、まさに、近づいて体を触れるのはマリアちゃん。


そんな、光景、見たくない。


自然と、涙がこぼれる。


あれ?


なんで?


そうか、ボク、瀬音くんのことが、本当に好きだったんだ。


そんなことに、今さら気づくなんて。


ボクは、やっぱり馬鹿だ。


はじめは、ただの遊びだった。


エッチな遊び。


そんな秘密の関係だった。


ただ、お互い、気持ちいいから、だんだんエスカレートしていっただけで、ただのエッチな気持ちを高めあう秘密の遊びの関係だけのはずだった。


それが、終わっただけ。


今度は、瀬音くんみたいに、本当の女の子と付き合うべきなんだ。


だから、本当の好きではなかったはず。


お互いに。


そう、練習みたいなもの。


そうなんだよね、瀬音くん。


なのに。


ちがう。


やっぱり、ちがうよ。


この気持ち。


ボクは、瀬音くんが好きだ。


もっと、ちゃんと、このことを、瀬音くんに言えばよかった。


ちゃんと、瀬音くんと、向き合っていればよかった。


そしたら、こんなことには……


いや、それでも、やっぱり、フラれてただろうけど。


ねぇ、瀬音くんは、ボクのこと、どう思ってたのかな?


たぶん、マリアちゃんの練習相手にすぎなかったのかな?


でも、ボクは……


好きだよ。


なのに






これで、終わり……
なの?
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