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瀬音とボクとよしみくん
第25章 歩くんと翼くんと…○
えっ、気付かれた?


嘘、なんで?


慌ててドアから離れる。


「家の人いるの?」


「いや、そんなはずは……お母さんは今、仕事に行ってるはずだもん」


「お姉さんじゃない?」


「姉ちゃんはいないよ」


「え?」


「県外の高校に行ってるんだもん。いるはずは……」


「でも、もしかしたら、たまたま帰っているのかもよ。確かめたほうがいいよ」


「あぁ、そうだな。ちょっと服着るよ」


やばい、こっちにくる。


どうしよう。


隠れた方がいい?


なんで私が?


「……ねぇ? 姉ちゃん? 帰ってるの?」


「ニャ~」


「あれ? なんだキナコだったのか、びくらすなよ」


「どうしたの?」


「猫のキナコだった」


「なんだ、よかった」


「姉ちゃんのはずがないよ。もし、みつかったら殺される」


「そうだね。お姉さんのマンガも勝手に見ちゃってるしね」


「こういうの、ボーイズラブっていうらしいよ」


「ぼーいずらぶ? そうなんだ。ねぇ……続きをしようよ」


「そうだな」
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