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瀬音とボクとよしみくん
第41章 あの日、あの時
「実は、本当に転校するはずだったんです。だから、学校や保護者の間で、なるべく情報がもれないようにしたんです」


そうだったんだ。


なのに、ボクは、良実くんのことを少し恨んでいた。
なんで、一言も告げずに行ってしまったのかって。


「瀬音くんも、知ってたの?」


「いや、当時は俺も知らなかった。知ったのはかなりたってからだ」


「そうなんだ……」


だから、ボクを傷つけないように。


「ありがとう、そしてごめんね。瀬音くん……」


「あん? なにが?」


今、思えば、周りの反応がおかしかったのも、わかってきた。


逆になんでボクは気づかなかったんだろう。


なんで、今まで……


「それはしょうがないって、まわりが気をつかってたんだから」


瀬音くんが、フォローする。


いや、自分で、もっと調べればすぐにわかったはずなのに。
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