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瀬音とボクとよしみくん
第41章 あの日、あの時
「あ、それも、私が説明します」
「良美ちゃんが?」
「はい。でも、その前に、一言謝らせてください」
「なに?」
一体?
良美ちゃんが、あらたまってボクに言う。
「一ノ瀬さんが、私のことを探しているのは知ってました」
「そうなの?」
「だから、ごめんなさい。ずっと避けてました」
「避けて、た?」
「えぇ、また記者か何かと思っていたので」
「そうだったんだ。こっちこそ、ごめんね。話したくなかったよね」
「いえ、そんなことなかったです。でも、それがきっかけで、この場所を知ったんです。兄の遺品をあらためて整理しなおしていたら、メモをみつけて」
「メモ?」
「えぇ、思い出の場所なんですよね。ここにタイムカプセルを、って」
「タイムカプセル?」
「これです」
そう言って、良美ちゃんは色褪せたメモを見せてくれる。
そこには、確かにここの場所が書いてあった。
まるで宝の地図のような……
良実くんの字。
良実くんのイラストが懐かしい。
当時はキレイな文字だと思っていたけど。
今みると、幼さが伝わってくる。
「本当だ。でも……」
記憶を必死に呼び起こす。
「タイムカプセルを埋めたことはないよ……本当にここに埋めてあるの?」
「良美ちゃんが?」
「はい。でも、その前に、一言謝らせてください」
「なに?」
一体?
良美ちゃんが、あらたまってボクに言う。
「一ノ瀬さんが、私のことを探しているのは知ってました」
「そうなの?」
「だから、ごめんなさい。ずっと避けてました」
「避けて、た?」
「えぇ、また記者か何かと思っていたので」
「そうだったんだ。こっちこそ、ごめんね。話したくなかったよね」
「いえ、そんなことなかったです。でも、それがきっかけで、この場所を知ったんです。兄の遺品をあらためて整理しなおしていたら、メモをみつけて」
「メモ?」
「えぇ、思い出の場所なんですよね。ここにタイムカプセルを、って」
「タイムカプセル?」
「これです」
そう言って、良美ちゃんは色褪せたメモを見せてくれる。
そこには、確かにここの場所が書いてあった。
まるで宝の地図のような……
良実くんの字。
良実くんのイラストが懐かしい。
当時はキレイな文字だと思っていたけど。
今みると、幼さが伝わってくる。
「本当だ。でも……」
記憶を必死に呼び起こす。
「タイムカプセルを埋めたことはないよ……本当にここに埋めてあるの?」