この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
乳房星(再リフォーム版)
第53章 悲しい色やね
時は夜10時過ぎのことであった。

(ウーウーウーウーウーウーウーウーウーウーウーウーウーウーウーウー!!)

また尾鷲市で人魚が打ち上げられた事件が発生した。

現場は、瀬木山町のコンテナ倉庫が立ちならぶ貨物埠頭にて…

敷地内に停車している三重県警のパトカー10台と消防署の救助工作車2台がけたたましいサイレンを鳴らしている。

小舟に乗っている地区の消防団員のおっちゃんたち20人によって人魚が引き上げられた。

引き上げられた人魚は、言うまでもなくゆりこである。

顔がブクブクにはれて、あしもとにひどい引っかき傷がある痛々しい姿で引き上げられたゆりこは、ストレッチャーに載せられて、白のカローラのライトバンに運ばれた。

ライトバンは、たつろうさんの実家へ向かった。

時は、朝8時過ぎであった。

たつろうさんの実家の大広間に、地区の消防団のおっちゃんたち20人がいて、大きな口をあけてゲラゲラ笑いながら酒をのんでいた。

そのとなりの広間に、ゆりこが永眠(ねむっ)ている棺と祭壇が安置されている。

そんな中で、てつろうがふらりと戻ってきた。

てつろうは、棺と祭壇が安置されている広間にあがった。

棺に安置されているゆりこを見たてつろうは『ウソだろ…』と言うてゼックした。

「ゆりこ…」

てつろうは、ゆりこのくちびるにそっとキスをした。

その時であった。

「うーん…」

死んだはずのゆりこが目をさまして起きあがった。

「うーん…あれ?ここどこなん?」
「ゆりこ…ゆりこ…」
「てつろうさん…てつろうさん…」
「ゆりこ、生きていたのか…ああ…よかった…」

てつろうは、貝殻の形のブラジャーショーツ姿で目ざめたゆりこを抱きしめてキスをした。

「ゆりこ…結婚しよう…」

てつろうとゆりこが抱き合って愛し合っていた時に、よいたんぼのおっちゃんが入って来た。

「てつろうさん…こななところでなにしてまんねん…」
「えっ?」

よいたんぼのおっちゃんは『人魚が生き返った~』と叫んだ。

それにつられて、複数のおっちゃんたちがワーワーさわぎながら地区中を走り回った。

その上に、ゆりことてつろうが恋仲であることまで知れ渡ったので、大ごとになった。
/574ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ