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乳房星(再リフォーム版)
第63章 六本木純情派
「オレ、よく考えたら研究したいことがないのに大学院へ行ったけん失敗したと思とる…長兄(おにい)夫婦がオレが卒業したら尾鷲の市役所に就職できるようにおぜんだてしたと言うたけん…オレ、勢い余って『研究したいことがあるから大学院へ行くから…』と言うて断った…なんでこななアホなことしたんかいのぉ~」

泣きそうな表情を浮かべているてつろうに対して、けんちゃんはこう言うた。

「ほな、なんで市役所に就職せなんだん?」
「Uターン就職がいやだから断った…それだけのことや!!」
「そないに、生まれ故郷で働くのがいやなんで?」
「(いばり声で)イヤにきまっとるやないかぇ!!Uターン就職と言うたら市役所かJAJFか銀行か郵便局しかねえのだよ!!」
「ほな、生まれ故郷の尾鷲にいなんかったらええやん…」
「ああ、そのつもりだ…」

残りの酒を全部のみほしたてつろうは、シミジミとした声で言うた。

「オレ、妻とリコンした…妻と相性があわなんだ…こななことになるのであれば、妻と出会うんじゃなかった…なんでぇ…なんでぇ…」

グチグチ言うたてつろうは、頭を抱えて泣き出した。

けんちゃんは、なにも言わずに酒をのんだ。

先ほど、てつろうがディスコクラブでゴタゴタに巻き込まれたことについては、てつろうが客引きのニイチャンに捕まってノコノコと入って行ったことによるトラブルであると言うことにしとこわい(めんどくさい…ブツブツ…)
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