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それでも僕は
第12章 12※






「宗田くん、ちょっとキッチン借りて良い?」
「どうぞ…」
南先輩はそう言って部屋を出て行った。南先輩が行ったのを見て、僕は制服を脱いで南先輩が用意した濡れタオルで身体を拭き、部屋着に着替えた。
「宗田くん、お粥作ってきたけど食べる?」
「…はい」
南先輩がお粥を作って僕の部屋に戻って来た、南先輩が僕にお粥を食べるかどうか尋ね、それに僕が答える前に、僕のお腹が南先輩の質問に答えた。
「クスッ…食欲はあるみたいだし、大丈夫そうだね」
南先輩は意外に食い意地張っている僕に安心したような笑みを浮かべる。柔らかい笑みを向けられ、照れ臭くなった僕は南先輩の作ったお粥を食べる。南先輩が料理までできるとは思ってもみなかった。顔も良う、頭も良い、性格も良くて、バスケ部ではレギュラーでエースとして活躍していている、むしろ南先輩は何ができないものがあるのだろうか?スパダリって言うのは南先輩みたいな人のこと言うんだろうな…。僕は蓮華でお粥を掬う、料理までできるんだな…こんなになんでもできる南先輩に人として、男として劣等感を抱くが、不思議と妬ましいと言う気持ちは湧かない。むしろなんかドキドキする。
「じゃあ、俺帰るけど、ゆっくり休んでね、宗田くん」
「あ、ありがとうございます…今日は本当にお世話になりました」
南先輩は手を振って部屋を出て行った。こんなに人に優しくされたのは初めてかもしれない。僕は南先輩に抱いた不思議な感情に戸惑いながら眠りに付いた。







「遥ちゃーん会いたかったよ!!」
「ぐえ!?」
2日ほど休んで、風邪を治して学校に行くと正臣くんが僕に飛び付いた。いきなり飛び付かれた僕は潰されたカエルのような呻き声を上げた。
「寂しかったよ、遥ちゃん!!」
僕は抱き締め頬ずりする正臣くんを押し退けて自分の席に座った。休んでいた分のノートをクラス委員の人から借りて写す。南先輩に迷惑かけた分頑張らないと…。





「宗田…風邪はちゃんと治ったか?」
「はい、心配かけてすいません」
授業が終わり、部活に行くと東雲先輩が僕の体調を気遣う。相変わらず仕事で忙しい両親は帰って来なかったけど、東雲先輩や南先輩がお見舞いに来てくれた。
「病み上がりだからあまり無理するなよ」
東雲先輩は僕に無理するなと言い聞かせて練習に戻って行った。
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