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それでも僕は
第8章 8☆




「…ケイを傷付けたくないから最後までしない」
ゆうは長い間、沈黙したあと答えた。
「それに俺、やり方知らないから無理だよ」
納得できない俺がさらに詰め寄ろうとするが、ゆうに先に釘を刺されてしまう。残念に思う一方、ゆうも初めてなことに安堵していた。






退院してから俺は平穏な日々を送っていた。ゆうが勉強を教えてくれるおかげで俺の成績は学年でも上のほうになった。でもそのことで不安なこともある。
『ゆうのおかげで成績上がりました』
『おっ…良かったな』
『…でも、俺に付きっ切りでゆうの成績が落ちてないか不安なんです』
俺はSNSで優斗さんにゆうの成績が落ちてないか尋ねる、ゆうに勉強を教えてもらうのはとても嬉しいし、嫌いな勉強が楽しく感じるけど…だからこそゆうの重荷になってないか不安だった。正直、勉強は苦手だし、嫌いだけど、ゆうの重荷になっているなら…。
『ん?ゆうの成績はかなり良いぞ、元々学年トップの成績だから上がりようはないが』
本当になんでも完璧にできるゆうが眩しい。例え持病がなくてもゆうの真似はできそうにない。
『……それに俺が休みの日には勉強見たりしているから慧くんが心配しなくも大丈夫だぞ』
初めてふたりを見た時は少し壁があるように見えたがどうやら無事に仲良くなれたようで良かった。
『……ゆうって良い人過ぎて不安なんですよね』
『それな』
ゆうはしっかり者で優しい。だから必要以上に俺に気遣って我慢しているのではないか?という不安が常に付き纏う。ゆうはもっと俺や優斗さんに甘えるべきだと思う。それについては優斗さんも俺と同じことを思ってたのかうんうんとうなづく。
『そういうところは姉さんに似たんだろうね、基本お人よしで世話焼きだから誰かの世話をするのが生き甲斐なんだよ』
世話焼きなのはゆうの数多い美徳だと思う。でもそのせいで貧乏くじを引いたり、無理しないか気掛かりだった。ゆうが他人に世話を焼くように、ゆうも誰かの優しさを受け入れ甘えてほしい。
『………本当に慧くんは優馬のこと愛しているんだね』
優斗さんは感心するように、羨むように言う。休憩時間が終わった優斗さんは仕事に戻って行った。
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