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それでも僕は
第8章 8☆





谷口さんが俺を縋るように見る、俺とゆうが面識があることを知っているのは限られている人だけだ。俺はその限られている人を見る。その限られている人は左右に顔を逸らした。ふたりに口止めしてなかったのでこれ以上の追求は諦め、視線を谷口さんに戻した。
「…そうだけど、どうかしましたか?」
ゆうを友達と言うのは抵抗があるが谷口さんとあやめちゃん達が困惑すると思うのでゆうのことを恋人と紹介はできなかった。
「これを南さんに届けてほしいんですけど」
谷口さんは俺に一通の手紙を渡し去っていた。彼女に渡された手紙はかなり可愛い封筒でそれだけで中の内容を察してします。
「南さんって本当にモテるな」
亨くんがはぁ…と感嘆の息を漏らす。俺もそれについては同感だった。ゆうはかなりの人たらしだ。俺は手紙を一瞥する、中身を大まかに察しても手紙を破り捨てる気にはなれなかった。俺は手紙をかばんにしまう。





「いらっしゃい…ゆう」
「入るよ、ケイ」
部活終わったゆうが俺のアパートに泊まりに来てくれた。嬉しいけど、谷口さんのこと思い出すと少し憂鬱だ。ゆうを中に入れて夕飯の準備に取り掛かる。
「俺も手伝うよ」
ゆうは手を洗い夕飯の仕度を手伝ってくれる。ゆうと一緒にカレーを作る、味を考慮しない俺は料理のレパートリーがかなり少ない。中でもカレー、シチュー、ハヤシライスはルー以外の材料が似たり寄ったりなため良く作る。俺がタマネギを切ってる隣でゆうがニンジンの皮をピーラで剥いていく。なんか新婚夫婦見たいで照れ臭い。






「そういえばさ…24日、何か用事ある?」
出来上がったシチューを食べてるとゆうが24日の予定聞いてきた。
「特に予定ないけど?」
俺は通院しないといけない日以外は特に予定はない。首を傾げる俺にゆうは少し頬を赤くした。
「クリスマス、デートしたい」
ゆうからデートお誘いに俺は吹き出しそうになった。
「で、デート!?」
「……ダメ?」
ゆうが少し悲しそうな顔をする。俺はうっと顔を引き攣らせる。
「も、もちろん良いよ」
ぱっと明るくなったゆうに謎の敗北感を味わう。普段大人っぽいゆうがこうやって子供みたいな態度に出ると不覚にもときめいてしまう自分がいる。
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