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第11章 幸せな羞恥

わっ、こんな近くから……それにみんなの顔がはっきり見える……でもこの方がいいかも……。

ステージに上がった夏希が心の中でつぶやく。

手を伸ばせば届きそうな距離からギャラリー達がステージを見つめている……めちゃくちゃ近い。

さっきは自分に当たっているスポットライトが眩しくて周囲は暗闇だったが、今はスポットライトが消されて全体照明だけ……やや暗めではあるが、ステージの夏希からもギャラリー達の顔がはっきり見える。

夏希としてはさっきの暗闇よりも自分からもギャラリーの顔が見えていて「見られている実感」がある方が好きだ。