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第1章 Wデート

「紹介するわね、桜木拓也さん、一応IT社長」

「おい！一応って何だよ」

そのやり取りを聞きながら、夏希はお似合いのカップルだと思う。

「こちらは黒岩健太さん、伝説の凄腕トレーダー」

「ちょっと褒め過ぎですよ……あ、黒岩です……よろしく……」

いかにも自信家の桜木と違って照れた様子の黒岩にまた夏希がドキドキする。

「私の同僚で歳も同じの水沢夏希さん、職場のアイドルよ」

「違いますよ、アイドルじゃないですから」

夏希も照れながら否定する。

ほら、やっぱり私の勘は当たったわね……ふたりの様子を見ながら、こっちもお似合いのカップルねと梨香も自画自賛する。