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教授の手引き
第1章 教授の手口
佐藤「ああ、就活の件だね」

玲奈「少しだけお時間頂けませんか?」

佐藤「どうぞ」

佐藤はデスクの前におかれたイスに座るように手で促した。

佐藤はデスクに出っぱなしになっていた参考書を本棚に戻す。

本を戻しながら佐藤は横目でちらりと彼女を見た。
宮内玲奈は身長が162~3センチと平均より高く、顔も小顔なためかなりスタイルがいい。
真っ直ぐに伸びた背筋が上品な佇まいを醸し出している。

整頓が一通り終わってから佐藤はデスクを挟んで彼女の対面に座った。

佐藤「で、どんな相談なのかな?」

玲奈「はい、ちょっと悩んでいて・・・」

聞けば内定はもう2社出ていて、どちらもこの大学の偏差値からすれば十分過ぎるといっていいほどの有名企業だった。
この美貌があれば特段の問題がない限り学歴関係なく採用されるだろうなと佐藤は思った。

ただ内定を受けた職種が気に入ってないらしい。

今内定を受けているのは二社とも総務部での採用らしい。

新商品の開発や市場調査を行う企画職に玲奈は就きたいと思っているそうだ。
希望はメーカーだそうだ。

企画職の採用面接を受けると、いいところまでは行くのだが寸前のところで落とされてしまうらしい。

玲奈「佐藤教授に話せば何かアドバイス頂けるかと思いまして・・・」

佐藤「うーん、メーカーの企画職ねぇ・・・」

佐藤は腕を組んで、ちらりと玲奈の顔を見た。

真剣に悩んでいる表情であった。

玲奈「どうでしょうか?」

佐藤「そのメーカーっていうのは食品系とかでもいいのかな?」

玲奈「はい、食品系も興味あります」

佐藤「○○○○製菓ってわかるよね」

玲奈「○○○○製菓ですか、勿論知っています。」

○○○○製菓とはコンビニやスーパーの菓子棚にはどこでも置いてあるし、CMもバンバン放送している有名菓子メーカーであった。知らない方がおかしい。

佐藤「昔からお世話になっている方がそこの人事部にいてね」

玲奈「えっ、そうなんですか?」

佐藤「もし興味があったらその人に聞いてみるのもいいかもしれないと思ったんだ」

それを聞いて玲奈の顔がぱっと明るくなった。

玲奈「あの、ぜひお願いします」

佐藤「わかったよ。一度聞いてみる。ただ君の求める職種の募集があるのかはわからないがね」

玲奈「ありがとうございます!教授に相談して良かったぁ」
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