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Honeymoon
第11章 朝を待つ間
そんな折、会社の内線から呼び出しが掛かった。
監査前で仕事が忙しかった。
それでつい雑な応対をしてしまったけれど秘書室からだという。
ビル最上階に通され、引かれた絨毯の深さにヒールがめり込みそうになった。
こんな所には今まで来た事が無い。
「工藤相談役、早瀬さんをお連れしました」
きちんとしたスーツ姿の秘書課の女性に気後れしつつ、その奥まった豪奢な応接室に通された。
大きな皮のソファに腰掛けていた年配の男性が立ち上がり微笑んでくる。
もうとっくに還暦も過ぎていそうだけど、活力に溢れた印象の大柄な男性。
この人、似てる。
和泉さんというより、どちらかというと遥さんに。
「挨拶が遅れて申し訳ない。 事情を聞いたのがつい先日でね」
工藤さんの祖父がここの元副社長だと聞いていた。
と、いう事は。
「遥さん、と和泉さんの……」
目を細めて柔らかく頷き、その人は自分の向かいのソファへと促してきた。
監査前で仕事が忙しかった。
それでつい雑な応対をしてしまったけれど秘書室からだという。
ビル最上階に通され、引かれた絨毯の深さにヒールがめり込みそうになった。
こんな所には今まで来た事が無い。
「工藤相談役、早瀬さんをお連れしました」
きちんとしたスーツ姿の秘書課の女性に気後れしつつ、その奥まった豪奢な応接室に通された。
大きな皮のソファに腰掛けていた年配の男性が立ち上がり微笑んでくる。
もうとっくに還暦も過ぎていそうだけど、活力に溢れた印象の大柄な男性。
この人、似てる。
和泉さんというより、どちらかというと遥さんに。
「挨拶が遅れて申し訳ない。 事情を聞いたのがつい先日でね」
工藤さんの祖父がここの元副社長だと聞いていた。
と、いう事は。
「遥さん、と和泉さんの……」
目を細めて柔らかく頷き、その人は自分の向かいのソファへと促してきた。