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Honeymoon
第8章 ふたりの嘘
「あ、旭ーっ! こっちこっち!」
オープンカフェで手を振っている、ニットのコートを着ている香織。
私は足が痛くてあまり得意じゃないけど、香織の高いヒールのロングブーツを見ると毎年もうこんな季節なのだと実感する。
それで、香織の前にしれっと座ってる男性は、今度はあれは間違いなく。
「……遥さん」
その彼の目の前で香織は苦笑いをしている。
イマイチ状況が分からない。
「ちゃんと呼んだげたでしょ? もう、旭も同じ会社の人だからってもう少し付き合い選んだら?」
「ありがと、助かった。 香織ちゃん」
一瞬ちょっと赤い顔をして、中指でも立てそうな勢いで彼に嫌そうな視線を返し香織が席を立つ。
遥さんはふ、と笑いながらそんな彼女に手を振って見送った。
彼の前のテーブルの前に立っていた私に目を上げてくる。
「旭に連絡しても全然返事こねえし。 最初んとき香織って呼んでたの思い出してさ。彼女が旭の一番の友人って聞いてるからって持ち掛けて、内緒で呼び出してもらうよう頼んでみた」
「………」
オープンカフェで手を振っている、ニットのコートを着ている香織。
私は足が痛くてあまり得意じゃないけど、香織の高いヒールのロングブーツを見ると毎年もうこんな季節なのだと実感する。
それで、香織の前にしれっと座ってる男性は、今度はあれは間違いなく。
「……遥さん」
その彼の目の前で香織は苦笑いをしている。
イマイチ状況が分からない。
「ちゃんと呼んだげたでしょ? もう、旭も同じ会社の人だからってもう少し付き合い選んだら?」
「ありがと、助かった。 香織ちゃん」
一瞬ちょっと赤い顔をして、中指でも立てそうな勢いで彼に嫌そうな視線を返し香織が席を立つ。
遥さんはふ、と笑いながらそんな彼女に手を振って見送った。
彼の前のテーブルの前に立っていた私に目を上げてくる。
「旭に連絡しても全然返事こねえし。 最初んとき香織って呼んでたの思い出してさ。彼女が旭の一番の友人って聞いてるからって持ち掛けて、内緒で呼び出してもらうよう頼んでみた」
「………」