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Honeymoon
第10章 いくつかの誤解
反射的に両手で受け取り文字を目を追う。
社名とこの女性らしき氏名。
それから、ブライダルコーディネーター、と。
「旭ちゃん、もしかして何か誤解してるかなって。 帰国したら直ぐに話を進めようって言ってたの、覚えてる?」
「はい……」
「大枠だけでも決めておきたくて。 こっちに戻って少し残ってた仕事と、俺たちの事、任せる人が必要かなって色々動いてた」
よくよく見るとテーブルに乗っているのは式場など、結婚関係のパンフレットだった。
和式洋式海外挙式等、様々なものがある。
そんな大まかなものまで今までちっとも気が回っていなかった自分に気付いた。
「言葉足らずだったのはごめんね。 ただ、こうやって担当の人を紹介しておいた方が、旭ちゃんも俺がまた向こうに戻っても色々彼女に相談出来るかなって」
そう言って和泉さんが目を向けた女性が笑顔で頷く。
「結婚は女性にとって何より大切なイベントですから。 パートナーの方には申し訳無いですけど、工藤様ご不在の折もお話を伺いながら旭さんにとって良いお式になる様、私が精一杯お手伝いさせていただきます」
そんな彼らを交互に見ていた私は二の句が告げなかった。
自分はなんて事をしてしまったのだろう。
和泉さんに返すつもりで私は今、指輪もしていない。
「あ……私、ごめんなさい。 勘違い、を」
社名とこの女性らしき氏名。
それから、ブライダルコーディネーター、と。
「旭ちゃん、もしかして何か誤解してるかなって。 帰国したら直ぐに話を進めようって言ってたの、覚えてる?」
「はい……」
「大枠だけでも決めておきたくて。 こっちに戻って少し残ってた仕事と、俺たちの事、任せる人が必要かなって色々動いてた」
よくよく見るとテーブルに乗っているのは式場など、結婚関係のパンフレットだった。
和式洋式海外挙式等、様々なものがある。
そんな大まかなものまで今までちっとも気が回っていなかった自分に気付いた。
「言葉足らずだったのはごめんね。 ただ、こうやって担当の人を紹介しておいた方が、旭ちゃんも俺がまた向こうに戻っても色々彼女に相談出来るかなって」
そう言って和泉さんが目を向けた女性が笑顔で頷く。
「結婚は女性にとって何より大切なイベントですから。 パートナーの方には申し訳無いですけど、工藤様ご不在の折もお話を伺いながら旭さんにとって良いお式になる様、私が精一杯お手伝いさせていただきます」
そんな彼らを交互に見ていた私は二の句が告げなかった。
自分はなんて事をしてしまったのだろう。
和泉さんに返すつもりで私は今、指輪もしていない。
「あ……私、ごめんなさい。 勘違い、を」