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第8章 キミの体温 ボクの吐息

生まれて初めて父親になった。

洋子が妊娠している時
つわりに始まって、大きくなるおなかを大変そうに歩いている時
ずっと隣にいて
洋子はどんどん母親の顔になっていった。

女はすごい。

長い時間をかけて
おなかの子供と一緒に母親になっていく。

俺は・・・
妊娠が分かった時、すごくうれしくて
それでも洋子ほど実感もなく
自覚する間もなく、あっという間に父親になった。

このまま父親になって大丈夫なんだろうか

そんな不安を胸の片隅に抱きながら・・・
でもこの子の顔を見てそんな不安は一瞬でかき消された。

なんて可愛いんだろう。

その気持ちで胸がいっぱいになって
洋子への感謝の気持ちでいっぱいになった。