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blossom
第2章 Love1:ハジメテの男
「悪い…」
すっと力を弱めた山根くんが、助手席のドアを開けてくれた。私はそのまま山根くんの隣に、黙って座ることしかできなかった。
そのまま無言のまま車が動き出した。
山根くんの香りが私にまとわりついていることを感じつつも、窓の外の景色を見ているしかできない。
「ちょっとコンビニ寄らせて」
突然、何も無かったみたいな言い方で、眩しい光の前に車を近づけた。
「何か欲しいものある?」
首を横にふると、山根くんは軽く頷いてコンビニへ入って行った。
すぐに小さなビニール袋を持って車に戻ってきた。
「お待たせ」
渡された冷たいペットボトルを黙って受け取って、ゴクゴクと飲むとシャキッと頭が冴えてくる。
そしてまた、車が動き出した。
「山根くん…?この道って?」
「ごめん、病院に寄らせて」
「うん、分かった」
もしかしたら、母のことを気にかけてくれているのかもしれない。
院長室に戻ると、さっきのコーヒーカップがそのまま残っていた。
「流し台ってどこ?」
「その奥だけど」
カップとソーサーを両手に持って奥へ行くと、そこには小さな流し台とテレビ、ベッドがあった。
「俺専用の仮眠室」
すぐ後ろから山根くんの声がする。
(危ない…この感じ…)
肩越しに腕を回されて、耳元で囁かれる。
その甘い感触に耐えきれず、カチャンと音を立てて台の上に置いてしまった。
「ダメだよ…ダメっ……やまねく…」
すっと力を弱めた山根くんが、助手席のドアを開けてくれた。私はそのまま山根くんの隣に、黙って座ることしかできなかった。
そのまま無言のまま車が動き出した。
山根くんの香りが私にまとわりついていることを感じつつも、窓の外の景色を見ているしかできない。
「ちょっとコンビニ寄らせて」
突然、何も無かったみたいな言い方で、眩しい光の前に車を近づけた。
「何か欲しいものある?」
首を横にふると、山根くんは軽く頷いてコンビニへ入って行った。
すぐに小さなビニール袋を持って車に戻ってきた。
「お待たせ」
渡された冷たいペットボトルを黙って受け取って、ゴクゴクと飲むとシャキッと頭が冴えてくる。
そしてまた、車が動き出した。
「山根くん…?この道って?」
「ごめん、病院に寄らせて」
「うん、分かった」
もしかしたら、母のことを気にかけてくれているのかもしれない。
院長室に戻ると、さっきのコーヒーカップがそのまま残っていた。
「流し台ってどこ?」
「その奥だけど」
カップとソーサーを両手に持って奥へ行くと、そこには小さな流し台とテレビ、ベッドがあった。
「俺専用の仮眠室」
すぐ後ろから山根くんの声がする。
(危ない…この感じ…)
肩越しに腕を回されて、耳元で囁かれる。
その甘い感触に耐えきれず、カチャンと音を立てて台の上に置いてしまった。
「ダメだよ…ダメっ……やまねく…」