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blossom
第15章 Love14:利用する男
結局店長はその日一度も射精することは無かった。

私の身体がビクビクとのたうち回るように痙攣するのを見て、喜んでいただけだったように思う。

私はびちょ濡れのベッドの上にぐったりと寝転んでいた。

「桂木さん、どうだった?良かったでしょ?」
私につかず離れずの距離で横たわる店長は、どこか自信に満ちた表情をしている。

(良かったのは器具だけでしょ?)
そう思って笑ってしまいそうになったけれど、微笑んで店長を見た。

「こういう関係も、悪くないでしょ?」

鬱々と佐野くんのことを気に病んでいたあの時間に比べたら、何もかも忘れられてスカッとしていい気分ではある。

「また時々どうかな?バイト代払うよ」

バイト代…という名の愛人契約だろうか。
道具を使って一方的に私を気持ちよくすることで、店長に何かメリットがあるのだろうか?私には分からなかった。

「時々…なら」

もったいぶってみたけれど、私にとってのデメリットはほとんどないと判断した。冴島さんと会えないときに、多少の慰めにはなると思ったのだ。


きっと店長は自分に自信がないのだろう。たとえ器具を使ってでも、自分の力で満足させられる事実が欲しいのかもしれない。
力といっても、それは結局ただの財力であり、Honeysの店の中だけに通用する小さな権力程度のものだけど。




ただ、
お互いの利害関係は、確かに一致したように感じた。
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