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blossom
第23章 Love22 : 桂木さくらという女
子供たちが独立したあと、どのような結果が待っているのかは分からない。
もしかしたら夫にも冴島さんにも愛想を尽かされて、一人静かに死んでいくのかもしれない。
それでもいいと思えるほどに、私の身体は知ってしまった。
女として生まれてきた幸せと悦び。
寂しい冬の間、殻に閉じ込められずっと自信を持てずにいた私。
色んな男たちに熱く抱かれ、たくさんの経験を積んだ今、綻びかけた蕾が春を待っている。絶頂を感じる度に1枚ずつ花びらを開いて、花を咲かせるのだ。
淫らな下着を身につけて嬉嬉として出かけていく妻を、夫は嫉妬の炎に焦がれながら見送る。恋人は夫への嫉妬を胸に抱きながら、女に生まれた悦びを刻み込む。そして恋人の元から戻ってきた妻を、夫は溺れるほどの愛で迎え入れる。
世の中の夫婦のうち、心も身体もお互いに満足出来ている人はどれくらいいるのだろう…
ある暖かな日、八分咲きの桜を見上げながら、そんな色んな思いが交錯していた。
「ママ、もうお菓子食べていい?」
「りっくん、ブロッコリー食べてないじゃん」
「だってぇ…食べなきゃだめ…?」
たくさんの家族連れがあちこちにレジャーシートを敷いてお花見をしている。うちからは少し離れているけれど、毎年この公園に来るのが恒例となっていた。
「1個は食べて欲しいなぁ」
「ほら、マヨネーズつけてあげるから」
「食べれたじゃん!」
「うんうん、エラい。頑張った!」
陸人の頭をよしよしと撫でると、嬉しそうな笑顔を見せた。
「あっ、パパ。あっちのターザンロープ行こう」
「僕もっ!」
「よし、行こうか」
夫が子供たちを連れて行ってくれたので、私はお弁当箱を片付けた。広くなったシートに足を伸ばして、頭上の桜を見上げる。
もしかしたら夫にも冴島さんにも愛想を尽かされて、一人静かに死んでいくのかもしれない。
それでもいいと思えるほどに、私の身体は知ってしまった。
女として生まれてきた幸せと悦び。
寂しい冬の間、殻に閉じ込められずっと自信を持てずにいた私。
色んな男たちに熱く抱かれ、たくさんの経験を積んだ今、綻びかけた蕾が春を待っている。絶頂を感じる度に1枚ずつ花びらを開いて、花を咲かせるのだ。
淫らな下着を身につけて嬉嬉として出かけていく妻を、夫は嫉妬の炎に焦がれながら見送る。恋人は夫への嫉妬を胸に抱きながら、女に生まれた悦びを刻み込む。そして恋人の元から戻ってきた妻を、夫は溺れるほどの愛で迎え入れる。
世の中の夫婦のうち、心も身体もお互いに満足出来ている人はどれくらいいるのだろう…
ある暖かな日、八分咲きの桜を見上げながら、そんな色んな思いが交錯していた。
「ママ、もうお菓子食べていい?」
「りっくん、ブロッコリー食べてないじゃん」
「だってぇ…食べなきゃだめ…?」
たくさんの家族連れがあちこちにレジャーシートを敷いてお花見をしている。うちからは少し離れているけれど、毎年この公園に来るのが恒例となっていた。
「1個は食べて欲しいなぁ」
「ほら、マヨネーズつけてあげるから」
「食べれたじゃん!」
「うんうん、エラい。頑張った!」
陸人の頭をよしよしと撫でると、嬉しそうな笑顔を見せた。
「あっ、パパ。あっちのターザンロープ行こう」
「僕もっ!」
「よし、行こうか」
夫が子供たちを連れて行ってくれたので、私はお弁当箱を片付けた。広くなったシートに足を伸ばして、頭上の桜を見上げる。