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蜜月非行【1】 〜フリーズ・破廉恥ショー〜
第17章  セクシャル テイスト
 …
 並んで、吊り革に掴まる二人。
 さすがに他の乗客がいるため、高橋は自慰行為の話はしてこなかった。
 
 駅へと向かうバス。
 スマホをいじる高橋。
 次のバス停のアナウンスが流れる。
 すると高橋は、急用が出来たと言い、降車ボタンを押した。
 そこは、優夏が前まで通勤していた、親会社の倉庫があるバス停だった。

 優夏にとっては、嫌な思い出の場所。
 親会社在籍時に、セクハラを告発して、飛ばされた場所。
 そして、小林に体を弄ばれた、あの事件の場所である。
 優夏の顔が曇る。

 そのバス停に着き、降りる準備をする高橋。
「じゃー、また」
「あっ、ああ、また…」
 何がまたなのかと思いつつ、お辞儀をする優夏。
「オナニーする時は、また合図よろしくね...」
 そう言って高橋は、バスを降りていった。
「なっ!!!…」
 公衆の面前でのオナニー発言に、目を見開く優夏。
 “こんなとこで、オナニーとか言わないでよっ”
 優夏は、恐る恐る車内を見廻した。

 乗客の視線が、自分に向いていることに気付く。
 見る見るうちに、優夏の顔は真っ赤に染まった。
 “高橋さんの…ばかっ!”
 優夏は、吊り革を掴む両手で顔を隠した。

 優夏は駅に着くまで、乗客達の好奇の視線を浴び続けたのだった。
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