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先輩の彼女を調教してやった
第40章 好きな人は誰?
広美は仕事が終わり急いで家に帰ってきた。

「さて、太田さんか来る前にちゃちゃっと夕飯つくりますか」

広美は自分に気合いを入れるような一人呟いた。

「今日はなんと広美特製シチューです」
「上手く出来るかなぁ」

広美は台所でシチューに入れるジャガイモの皮を向き、小さく切っていく。
料理に集中していると、広美の携帯が鳴った。

「ん、健治さんから電話だ」
「あっ、朝のメール返すの忘れてた、どうしよう…」

広美は着信音で健治だと理解すると同時に、朝のメールをいまだ返信してなかった事を思い出した。

「あっもしもし健治さん、どうしたんですか?」

広美はとりあえず電話に出て、会話を始めた。

「おう、広美元気か?」
「ま、大した用事は無いけど、やっぱり一日一回ぐらいは声を聞きたくてな」
「そういえば朝のメール気がつかなかったか?」

広美はどう答えるか悩んだ。
そして嘘をついた。

「えっ、朝メールもらいましたか?」
「あれ?メールきてたかな」
「うーん、見落としちゃったかも知れません、ごめんなさい」

健治は広美の言葉を信じ、話を続けた。

「あー、別に謝らなくてもいいよ」
「大した内容はじゃないからな」
「それより今何やってる?」

健治は話題を変え、広美と会話を続ける。

「今夕飯作ってます、シチューです、シチュー」

会話は続く。

「へぇ、シチューとは凄いな」
「でも広美、料理出来るのか?」
「だいぶ前に作ってくれたオムライス、食えるもんじゃなかったもんな、あはは」

健治は笑いながら、広美の料理を心配した。
広美はその言葉にムッとした。

「私、今は料理上手く出来るようになったんです!!」

広美の声のトーンが明らかに変わり、怒ったようにそっけなく健治に返事をした。
健治はそれに気がつかずに、たわいもない会話を続ける。
広美はダラダラと続く、意味の無い会話に少しイライラした気持ちになった。

(もー、あまり長電話してたら太田さん来ちゃうよ)
(私はシチュー作りたいんだってば)

広美は気がつかないうちに、彼氏である健治の電話をウザったく感じていた。
今は太田の為に料理を作りたいと思っている。
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