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第9章 逆らえない広美

「よし！契約完了な」

太田は契約という言葉を使い、広美に絶対に守るべき約束だと認識させた。

「じゃあ、さっそく一回目やろっか」
「広美ちゃん一旦起きて」

そういうと太田は広美の上からどいて、ベッドに腰かける、広美も同じように隣りに座らせた。

太田は畳み掛けるように広美に指示をする。

(え、え、え？あー、私…約束しちゃった…)
(でも、健治さんに内緒にするには、仕方ないよね)
(健治さんごめんなさい)


広美は渋々と太田の隣に座り、うつむいた。

「広美ちゃん、キスしてよ、ほら、キス」

太田はそういうと、口をつぼめ広美からのキスを要求する。

「え、ぇ？」

(私からキスするの？いやだ、そんなの恥ずかしいよ)

広美は太田の要求に戸惑った。
いままでキスをするとしても必ず健治からされていた、いわゆる受け身のキスしかしたことがないからだ。
男性経験が昨日まで健治一人のため、性に関してはそれほど知識がない。
しかもその健治とも四回しかセックスをしていない。

それに自分からキスをするなんて、エッチな女の子みたいで恥ずかしかった。

太田は広美のキスを待つ。

(そういえば、キスってどうすればいいの)
(嫌だ恥ずかしい…でも約束しちゃったし…)
(と、とりあえず口つければいいのかな)

広美はソーと太田に顔を近づけ、そして自分の唇を太田の唇に重ね合わした。


チュッ

まるで中学生ぐらいのカップルがするようなあどけないキス。