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月の姫~夢占(ゆめうら)の花嫁~
第9章 波乱
 控えの間を過ぎ、更に廊下を経て扉が女官たちによって開けられると、そこから階(きざはし)を降りた。大妃殿の庭には百合が盛りである。よくよく見れば濃い橙色の花、淡い紫に近いピンクの花と色も様々だ。誇り高く凜と頭(こうべ)をもたげている様子はどうしても先刻のこの殿舎の女主人を思わせる。
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