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月の姫~夢占(ゆめうら)の花嫁~
第9章 波乱
 いつものように夕刻から湯浴みをし、身支度を調え住まいの照陽閣を出たのは既に長い夏の陽も傾き、宵闇が辺りに漂い始めた刻限だった。今夜に限って殿舎を出るのが早いのは、王から少し早めに来るようにと催促があったからだという。
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