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月の姫~夢占(ゆめうら)の花嫁~
第9章 波乱
 幾つか並ぶ小卓に近づくと、酒器の載っている小卓の前に座る。念のため背後を振り返り、自分の姿が寝台の内にいるヒョルから細部までは見えないのを確認し、酒器を手に取った。そっと蓋を開け、袖に潜ませた小さな紙包みを取り出す。開けば、白い粉薬が現れ、彼女は素早く白い粉を酒器に注ぎ入れた。微量の薬はすぐに溶けて、透明な酒に紛れてしまう。流石に蓋を閉めるときは手がかすかに震えた。
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